
3月といえば、ひな祭り!
女の子の節句がありますね。
ひな祭りの雛人形の横に、つるして飾るお人形もあるとコチラの記事で紹介させていただきました
→ひな祭りのつるし飾りとは?由来はなに?ゆかりの地はどこ?
「つるし飾り」「つるし雛(つるしびな)」と呼ばれる人形ですが、
今回は
- 静岡県の「雛のつるし飾り」
- 山形県の「傘福(かさふく)」
- 福岡県の「さげもん」
この3つのつるし飾りの生まれた地域と歴史、それぞれの飾りの特徴と違いについて詳しく調べてみました。
つるし飾り・つるし雛の発祥の地と違いについて、また一つあなたのつるし飾り雑学が深まりますように^^
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この記事の目次
ひな祭りのつるし飾り地域はどこが発祥なの?
つるし飾りの生まれた場所は?
お人形をつるして飾るというユニークな形をした「つるし飾り」。
全国でも珍しいこの歴史ある風習は、江戸時代末期から始まり
- 静岡県では「雛のつるし飾り」
- 山形県では「傘福(かさふく)」
- 福岡県では「さげもん」
と呼ばれ親しまれています。
今や「全国三大つるし飾り」と呼ばれ愛されている、つるし飾りの生まれた場所ですが、
この3つの地域でそれぞれ歴史はどのように違うのでしょうか?
三大つるし飾りができるまで、つるし飾り・つるし雛の歴史を追いました。
ひな祭りのつるし飾り地域で歴史はどう違うの?
静岡県の「雛のつるし飾り」の歴史とは?
静岡県の「雛のつるし飾り」は、江戸時代後期から続く伊豆稲取地方の風習です。
雛人形などに使われる木工細工が盛んな静岡県では、手工芸品の一つとして「つるし飾り」が作られ、雛人形の代わりとしてひな祭りに飾られています。
当時、雛人形はとても高価なもので、裕福ではない一般家庭では手が届かないものでした。
でも、ひな祭りに子供の成長をお祝いしたいと家族、親戚、近所の人々が少しずつ布の切れ端でお人形を作り、持ち寄ってつなげて飾り、今日の「つるし飾り」の温かな行事に至っています。
今では「雛のつるし飾り」と呼ばれていますが、最初は特に名前が決まってませんでした。
ただ「ツルシ」と簡易的に呼ばれていて、婦人会の手芸講座で製作するお題として取り上げられ、名前を見直し「雛のつるし飾り」とつけられました。
つるしの漢字表記である「吊るし」は、縁起物には不適当とされ推奨されていませんので、漢字変換の際にはご注意を!
女の子の初節句に無病息災や良縁、成長を願うやさしい心を込めた風習として、現在も大切にされています。
山形県の「傘福(かさふく)」の歴史とは?
山形県の「傘福(かさふく)」は、「笠福」とも書き、静岡県のつるし飾り同様、江戸時代末期から始まったといわれています。
山形県酒田市には、江戸時代からお米の積み出し港として酒田港が利用され、当時活躍していた「北前船」という船経由でつるし飾りが伝えられたものと考えられていますが、発祥は定かではない部分もあります。
地元の酒田まつり(山王祭)では、豪華な「山車(さんしゃ)」と呼ばれるダシが練り歩きますが、その中の一つに、庄内藩や米沢藩の財政改革を支えたといわれる豪商の「本間家」の亀傘鉾という山車があり、傘の先に縁起物が吊り下げられた飾りが特徴的で、「傘福」はこれに由来しているのでは?と考えられています。
また現在、豪商の本間家の別館は「本間美術館」となっていますが、庄内藩の御用商人だった風間家の1つの傘福が雛壇とともに飾られていて、これが「傘福」と「桃の節句」を結びつける由縁のようにもなっています。
福岡県の「さげもん」の歴史とは?
福岡県柳川市の「さげもん」は、静岡県・山形県同様、江戸時代末期より続く、柳川市のひな祭りの風習です。
元々の歴史は、奥女中の教養の一つとしてお姫様が生まれるときに作る、琴の爪入れ用の袋や小物を、お姫様の健やかな成長を願って繕い贈ったのが始まりです。
その袋や小物はやがて「つるし飾り、つるし雛」へと形をを変えて、柳川地方の特産品の「柳川まり」とともに大切に伝えられてきました。
女の子が生まれた初節句のお祝いとして、裕福な家庭ではひな壇をさらに豪華に引き立てるため、ひな壇の両脇以外にも部屋中に飾りつけ、お客さんを招いたお祝い席で披露されました。
雛壇を用意できない家庭でも、その代わりとして布のはぎれなどで袋物や小物を作り、縫い合わせて心を込めた初節句のお祝いとしました。
家族・親戚・近所の方、お客さんを招いてお祝いするのは、たくさんの人に祝ってもらった女の子には、たくさんの幸せが訪れるといわれているからです。
ひな祭りのつるし飾りそれぞれの特徴とは?どう違うの?
静岡県の「雛のつるし飾り」の特徴とは?
静岡県のつるし飾りは、長寿を願う「桃」、魔除けを意味する「猿っ子」、薬袋香袋を表す「三角」の形を基本とした、総数50種類の細工をほどこした飾りがあります。
これらを5列の赤糸に各11個の細工をつるし計55個にそろえて、対で作ることにより110の細工がつるされたものが基本の型となります。
一般的に直径30cmのさげわに170cmの長さで吊るされ、飾りの数は3、5、7、9などの奇数で組み上げられています。
奇数にする理由は、初節句の縁起物なので、割り切れる数字(偶数)を避けて製作されているからです。
山形県の「傘福」の特徴とは?
山形県のつるし飾り「傘福」は、さまざまな願いを形にして総数61種類の細工が吊り下げられているといわれています。
開いた傘の下にぐるりと布を巡らして、様々な意味合いの縁起物を吊り下げるのが特徴ですが、理由は「昔から傘の下には魂が宿る」と言い伝えられてきたから。
また、酒田市の有名な豪商「本間家」のお祭り用の山車の傘に由来して、傘の下に縁起物の小物を吊るす案がつるし飾りとなり、今の傘福が完成しました。
酒田市の記念事業として取り組まれた傘福製作では、6000個の細工を使用した盛大な傘福が作られ、最大のものは直径200cmの傘の中に999個の細工をつるした高さ270cmの傘福で、地域の有名な見世物として「山王クラブ」という場所に展示されています。
「傘福」を撮影したフォトコンテストなども開催され、地域の特産品として話題になるようSNSなどを使いながら活性化が図られています。
福岡県の「さげもん」の特徴とは?
福岡県のつるし飾り「さげもん」は、飾りの細工が一つ一つ袋ものになって物を入れることができる特徴があります。
正式には約40cmの竹輪に赤白の布を巻きつけ、細工ものと柳川まりを交互に7列7個の49個をつるし、高さは150cmくらいになります。
「人生50年」と言われた時代に「女性は一歩引いて49年」と配慮した意味を含ませた49個の細工ものと、中心に柳川まりを2つ加えて合計51個にします。
合計が51個になることによって、「人生50年よりも長生きできるように」との願いが込められた意味の深いつるし飾りになっています。
これを初節句のときに、雛壇の横に左右対で飾ります。
今では、5列5個でまりが1個付いた簡易的なものや、ガラスショーケースに入ったものもあり、大きくは飾れない、時代背景が見える「さげもん」が扱われています。
ひな祭りのつるし飾り地域はどこ発祥?歴史は?形の特徴はどう違う?まとめ
いかがでしたか?
ひな祭りに飾る、つるし飾り・つるし雛のゆかりの地
- 静岡県の「雛のつるし飾り」
- 山形県の「傘福(かさふく)」
- 福岡県の「さげもん」
この3つの地域の歴史と、つるし飾りのそれぞれの特徴についてまとめてみました。
どれも江戸時代末期から始まり、飾りの数が奇数でつるしてあるのは共通していますが、地域性や歴史上の背景などの違いが見えて、とても面白い奥深さを感じる今回の調査となりました。
女の子が生まれたという喜びと家族、親戚、人々の温かさが時代を越えて感じられるって、改めて、ひな祭りや日本の行事の良さを感じました♪
以上、【ひな祭りのつるし飾り地域はどこが発祥?歴史と飾りの特徴の違いは?】でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます^^
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